2022年12月23日にヘルスケア&メディカル投資法人がインパクトレポートを公表しました。
昨年もこの時期にレポートを公表していましたね。年末年始のお休みの日の暇つぶしとしては良い読み物かもしれません。
投資理念や定性目標が中心で、ESGを中心にした目標と実績についての説明になっています。ですが、投資家さんにとって重要なのは
面白いと感じるのは10ページ目のEGAOlinkと呼ばれる介護業務効率化システム。ヘルスケア&メディカル投資法人が保有する2物件への設備投資の初期費用44.6百万円を一括で負担する一方、オペレーターは賃料増額を負担することで導入コスト支払を平準化し、早期導入を実現できたようで続く11ページ目にはアズハイム文京白山に導入した効果を開示しています。
EGAOlinkの仕組み
睡眠センサー、ナースコール、電子カルテをナースコールゲートウェイで連携させることで、スタッフが所持するスマートフォンで状態把握・記録入力・コール対応ができるというもの、こういうの実務的にはLINEとかで済みそうですが、介護の現場では個人的にLINEを教えると休みの日に休日出勤の依頼が有ったりといいこと無いですからね。そんなことによりも重要な介護記録を文字で打つのことに手間がかかるというかこっちの方の効率化を図ることが狙いでしょうね。
アズハイム文京白山におけるEGAOlink導入効果
ケアスタッフの人員削減
前年度と比較して1.5人工増、264時間/月の増加となっています。(導入当初と比較すると▲2.4人工、▲422時間/月)当施設は2:1の人員比率・体制を整備して運営することを前提としているため、2022年9月30日現在のご入居者数の場合、24.5人工が人員体制の下限となります。
コロナ禍の影響等によりパートタイマーの採用・定着が難しくなってきていることから、人員体制の構造見直しとして、今後は強みである新卒採用を活かして正社員比率を上げ、合計24~25人工で安定的に運営できる状態を目指します。
ケアスタッフの夜勤業務の負担軽減について
夜勤2名・準夜勤1名の体制から、準夜勤1名を削減し、2022年9月30日現在も同様の体制を維持しています。準夜勤削減後の2022年9月30日現在も、夜勤者は2時間の休憩時間を毎日取得することができています。2019年10月1日より定時巡視を終了していますが、2022年9月30日現在も、お客様からの苦情や行政からの指摘を受けることなく経過しています。
介護サービスの質の向上について
個別アクティビティ(ご入居者個々の心身の活性化を目的とした活動)を提供する時間を1日2時間、月間60時間取得することを目標にオペレーションの改善を進めてきました。導入当初は月間20時間でしたが、2022年9月30日現在は41時間増加しています。なお、前年度と比較すると大幅な時間減となっていますが、60時間が安定的な提供の基本時間になります。
眠り検知センサー及び記録ソフトのデータベースを活用し、ポリファーマシー(多剤併用における薬害事象)の改善に取り組みました。「平均使用薬剤数 6.0剤以下」を目標として、協力医療機関・薬局と連携し、睡眠データや記録データを踏まえて、ご入居者の状態に合わせて、薬剤の適正使用を推進しています。
成果として、2022年9月30日現在は目標を達成し、0.5剤下回る結果を出しています。これまでの取り組みの成果を測定する指標として、「⼊院率の改善による滞在⽇数の維持・増加」を
モニタリングしました。2022年6~8月は新型コロナウイルスの罹患により3.0~4.5%に上昇することがありました。(2022年10月は1.6%)
アズハイム光が丘におけるEGAOlink導入効果
ケアスタッフの人員削減について
前年度と比較して1.6人工増、282時間/月の増加となっています。これは、新人看護スタッフのOJTのために0.7人分を指導時間として派遣看護スタッフを使用していること、ケアスタッフの新卒配置により1人工の余剰が発生していることによるものです。(看護スタッフのOJTは2022年12月31日を期日として終了予定、ケアスタッフ1人工分は同年10月1日で人事異動)
コロナ禍の影響等によりパートタイマーの採用・定着が難しくなってきていることから、人員体制の構造見直しとして、今後は強みである新卒採用を活かして正社員比率を上げ、合計37~38人工で安定的に運営できる状態を目指します。
ケアスタッフの夜勤業務の負担軽減について
夜勤3名・準夜勤1名の体制から、準夜勤1名を削減し、2022年9月30日現在も同様の体制を維持しています。準夜勤削減後の2022年9月30日現在も、夜勤者は2時間の休憩時間を毎日取得することができています。2019年10月1日より定時巡視を終了していますが、2022年9月30日現在も、お客様からの苦情や行政からの指摘を受けることなく経過しています。
介護サービスの質の向上について
個別アクティビティ(ご入居者個々の心身の活性化を目的とした活動)を提供する時間を1日2時間、月間60時間取得することを目標にオペレーションの改善を進めてきました。導入当初は月間56時間でしたが、2022年9月30日現在は121時間と大幅に増加しています。なお、2022年度は平均すると約70時間で推移しており、2022年9月は長距離外出等の個別アクティビティを提供したことによるものです。
眠り検知センサー及び記録ソフトのデータベースを活用し、ポリファーマシー(多剤併用における薬害事象)の改善に取り組みました。「平均使用薬剤数 6.0剤以下」を目標として、協力医療機関・薬局と連携し、睡眠データや記録データを踏まえて、ご入居者の状態に合わせて、薬剤の適正使用を推進しています。
成果として、2022年9月30日現在は目標を達成し、0.4剤下回る結果を出しています。これまでの取り組みの成果を測定する指標として、「入院率の改善による滞在日数の維持・増加」をモニタリングしました。2022年4~7月は1~2%で推移していましたが、新型コロナウイルス罹患等により同年8月3.9%、同年9月4.3%と上昇しました。転じて、同年10月は1%と通常範囲に改善しています。
介護業務効率化システムを導入して効率化できたことは良いことだと思うのですがヘルスケア施設という不動産を取り扱うことで介護業界独自のリスク(特に従業員の業務過多、人手不足)を間接的に負担してしまっている状態なので今後このリスクは更に高まっていくと思います。
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