2023年1月20日に阪急阪神リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,980円のところ3,019円で着地しました。

2022年11期は守りの運用も分配金は増加
 
 2022年11月期は保有する32物件の運用に際しては、投資法人の強みの一つであるオペレーショナル・マネジメントの最適化に注力しました。プロパティ・マネジメント会社との連携を密にし、テナントニーズを反映したきめ細かい管理を行ってテナント満足度を向上させ、効果的な販売促進活動を通じて賃料単価及び稼働率の維持・向上を図ってきました。2022年11月期末のポートフォリオ全体の稼働率は99.2%と、引き続き高稼働率を維持しています。同時に、競争力強化につながるテナント満足度の維持・向上を図りつつ運営管理の品質向上や効率化を進め、管理費用の適正化に努めました。2022年11月期末現在の賃貸可能面積は398,927.14㎡、ポートフォリオ全体に占める商業用途区画の比率は72.7%(取得価格ベース)、関西圏の比率は75.2%(取得価格ベース)となっています。
 また、投資法人は、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)「ESG」への配慮が投資法人の中長期的な競争力や投資主価値の継続的な成長に不可欠であると認識しており、スポンサーグループの経営理念や社会貢献・環境保全の考え方に沿った「サステナビリティ方針」を制定し、不動産投資運用事業を通じた実践を図っています。こうした運用の結果、2022年11月期の実績として営業収益5,679百万円、営業利益2,428百万円を計上しました。ここから支払利息等を控除した後の経常利益は2,100百万円、また当期純利益は2,098百万円となりました。


安定性はしっかり確保できている
20230129阪急阪神リート投資法人NAV倍率推移
 財務戦略は、安定収益確保の実現と運用資産の着実な成長による投資主価値の最大化を図るために、安定的かつ効率的な財務戦略を立案し実行することを基本方針としています。そのため、エクイティファイナンスやデットファイナンスとともに、商業用施設等において受け入れた敷金・保証金等(2022年11月の残高6,435百万円)を有効に活用しています。また、借入れに際しては、金利動向に鑑み、借入コストの抑制と、借入年限の長期化・返済期限の分散の両立を図るべく取り組んでいます。第35期においては、2022年9月に返済期限が到来した借入金7,000百万円(長期借入金)について、長期・固定金利にて借換えを行いました。
 2022年11月末の有利子負債残高は、75,400百万円となりました。このうち借入金は69,400百万円(長期借入金69,400百万円(1年内返済予定の長期借入金5,000百万円を含む。))、投資法人債は6,000百万円(1年内償還予定の投資法人債2,000百万円を含む。)であり、総資産有利子負債比率は44.2%となっています。2022年11月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:A+、格付の見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA-、格付の見通し:安定的