2022年9月期決算のJ-REITの収益性について分析しました。

・NOI利回り
20230201J-REIT(5月・11月決算)NOI利回り推移
20230201J-REIT(5月・11月決算)NOI利回り推移2

 NOI利回りのNOIは賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引き、減価償却費をプラスすることで算出しています。ユナイテッド・アーバン投資法人はオフィスビルは苦戦どころか大苦戦していますね。賃料改定状況はコロナ前まではテナント入替の都度賃料が高く改定されていましたが、2022年5月期から入替えの都度賃料を下げている物件も多くあります。賃料ギャップは2021年5月期から約半分落ちこんで2022年11月期は3.9%となっています。もう付加価値はほほぼ無いという状況ではないでしょうか。成功と言えるのはネストホテル京都四条烏丸をオペレーター変更によるリブランドでリーガプレイス京都四条烏丸に変更することにこぎつけたとこです。稼働は2023年4月からなので今回の2022年11月期の分配金には影響はないんですけどね・・・。大和証券オフィス投資法人は契約更新による月額賃料増減率は+5.6%、テナント新規入居による月額賃料増減率は▲2.9%となっていますが、一応力を入れたリーシング強化物件については稼働率は着実に上げることができています。他の投資法人ではあまり触れていないのですがアクティビア・プロパティーズ投資法人は光熱費の値上げにより内部成長面での収益悪化が発生しています。これでまた下火になっていた新電力会社が息を吹き返すかもしれませんね。


・当期純利益率
20230201J-REIT(5月・11月決算)当期純利益率推移
20230201J-REIT(5月・11月決算)当期純利益率推移2

 5月・11月決算投資法人の当期純利益率はグラフの通りです。ユナイテッド・アーバン投資法人はガリバー八王子みなみ野店、アムール横浜、KIC狭山日高
ディストリビューションセンターの取得とあすと長町デンタルクリニック、UURコート札幌篠路壱番館の売却と資産の入替えを積極的に行っています。2023年5月期もグランルージュ城東、札幌米里物流センターの売却が予定されており苦手な内部成長を外部成長でごまかそうということが良く分かります。新規物件を取得することを発表した方が投資口価格に対してプラスのインパクトを与えるのでこれで乗り切れると思ったんでしょうね。ユナイテッド・アーバン投資法人はまた減損損失を計上しており、恒常的な物件の高値買いの懸念があります。少しは交渉とかしてみる必要があるのではないでしょうか。2022年11月期は不動産マーケットの不動産投資意欲が高かったこともあり基本的に売却益を計上し売却できています。

2022年11月期売却物件

 ユナイテッド・アーバン投資法人
  UURコート札幌篠路壱番館・・・5百万円
  あすと長町デンタルクリニック・・・444百万円

 アクティビア・プロパティーズ投資法人
  A-FLAG北心斎橋・・・57百万円
  ルオーゴ汐留(準共有持分20%)・・・879百万円

 平和不動産リート投資法人
  グレイスビル泉岳寺前(準共有持分50%)・・・549百万円

 大江戸温泉リート投資法人
  大江戸温泉物語 かもしか荘・・・110百万円
  大江戸温泉物語 きのさき(共有持分30%)・・・129百万円
  大江戸温泉物語 レオマワールド・・・2百万円