2023年2月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。


 2023年1月は売りに押されたものの、その後は下げ幅を縮小する動きになりました。昨年12月の米雇用統計で平均時給の伸びが市場予想を下回り、米国の賃金インフレへの警戒が和らいだことなどから一旦持ち直す場面があったものの、米連邦準備理事会(FRB)の金融引締めによる米景気の減速懸念や、日銀が追加の金融緩和策の修正に動くとの警戒から、中旬までは売りに押される動きになり、東証REIT指数は節目の1,800ポイントを一時下回りました。しかし、その後は日銀が大規模な金融緩和を維持したことに加え、値ごろ感や米利上げペースの鈍化観測などから投資家心理が改善し、株式市場とともに買い戻しが優勢になり、下げ幅を縮小しました。
 今後は戻りを探る動きを予想します。日銀が金融政策決定会合で長期金利の上限を引き上げるなどの政策修正は行わず、現行の大規模な金融緩和策の維持を決めたことや、金利上昇を抑制するために、金融機関への資金供給オペを拡充したことから、日銀の金融緩和策修正への警戒はやや後退しています。また、株価純資産倍率(PBR)に相当するJ-REITのNAV倍率は0.9倍台と割安感が強まっています。長期金利の上昇が抑えられていることや、米長期金利も落ち着いた動きになる中、予想分配金利回りは長期金利を差し引いても相対的に高い水準です。日銀の政策修正への警戒は市場の重しになりそうですが、利回り面での投資妙味や資産価格に比べた割安感が下支えしそうです。

12月の主要指標
20230207しんきんアセットJ-REITマーケット2023年1月

 東証REIT指数
  1,826.84円前月比(▲3.5%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   1,687.71(前月比▲4.3%)
  住宅     2,936.41(前月比▲4.5%)
  商業・物流等 2,338.83(前月比▲2.6%)