2023年3月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。


 2023年2月はレンジでの動きの中、やや買いが優勢になりました。月半ばにかけては、長期金利の上昇などが重しになったものの、値ごろ感からの買いも入り、一進一退の動きが続きましたが、日銀の黒田総裁の後任に雨宮副総裁ではなく、経済学者で元日銀審議委員の植田氏の起用が伝わると、新総裁下での金融政策の不透明感が広がり、売りに押されました。しかし、その後は、新総裁下での急速な金融政策転換に対する懸念が弱まったほか、植田氏が衆院での所信聴取で金融緩和を継続する姿勢を示したことから安心感が広がり、月末にかけて持ち直す動きになりました。
 今後は引き続き戻りを探る動きを予想します。翌月に日銀総裁交代を控え、新総裁の下での金融政策への思わくに振らされそうです。早期に長期金利をゼロ%程度に誘導するイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)の修正や撤廃などに踏み切るとの観測が強まると、不安定な動きになることも想定されます。他方、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ停止が先送りされ、その後も政策金利が高水準で維持されるとの見方が強まると、投資家心理が悪化する可能性があります。とはいえ、1月の東京都心のオフィス空室率が2か月ぶりに低下したことに加え、J-REITの予想分配金利回りは長期金利を差し引いても相対的に高い水準にあること、また資産価格と比べた割安感も強まっていることから、利回り面での投資妙味や値ごろ感からの買いなどが市場を下支えしそうです。

2月の主要指標
20230309しんきんアセットJ-REITレポート2023年2月

 東証REIT指数
  1,843.21円前月比(+0.9%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   1,707.53(前月比+1.2%)
  住宅     3,090.41(前月比+5.2%)
  商業・物流等 2,329.84(前月比▲0.4%)