2023年1月期決算のJ-REITの収益性について分析しました。

・NOI利回り
20230407J-REIT(1月・7月決算)NOI利回り推移
20230407J-REIT(1月・7月決算)NOI利回り推移2

 NOI利回りのNOIは賃貸事業収入から賃貸事業費用を差し引き、減価償却費をプラスすることで算出しています。全体的に増加傾向にあるものの、オフィス系J-REITではスターアジア不動産投資法人はかなり詳細に取り組みについて明かしています、オフィスビルは稼働率の回復が遅れているのは変わりないものの。 潜在テナントの動きの活発化は継続、物件によって強弱はあるもの2023年1月期は新規に12テナント成約し、従前テナントの賃料対比平均5.2%増額しています。更新時の賃料増額も7テナント、平均15.9%増を実現しています。それでも結果的に減少しているのはスターアジア不動産投資法人はレジデンスも運用しており、そちらの運用が芳しくなくオフィスビルや商業施設の運用は上手くいっています。森ヒルズリート投資法人、東急リアル・エステート投資法人もNOI利回りが減少しています。こちらは水道光熱費の値上がりによるものと分析しています。「影響は限定的」であると言っていますが、ちゃっかり収益にはマイナスに影響しているというわけです。特に森ヒルズリート投資法人の場合は物件の取得ペースもゆっくりであるため賃貸事業費用の上昇も賃料収入で取り返すのは難しいんですよね。早く光熱費の上昇分もテナントに転嫁する等をしないとただただ利回りの低い投資法人ということになってしまうので施策を打って欲しいですね。
 物流系J-REITの日本ロジスティクスファンド投資法人では水道光熱費増加分をテナントに転嫁する取り組みをもう始めています。インフレ高進に備え、賃貸借契約条件のコントロールを初めています。CPI連動条項(インフレ時の賃料増額機会の獲得を企図して導入)の導入。契約期間満了時の賃料増額機会を獲得テナントの意向を確認のうえ普通借家契約からの切換えを進めています。インフレ時の修繕費増加リスクを回避するため物件の状態に応じてテナントに転嫁するなども素晴らしいと思います。まあテナントとの信頼関係の上で成り立っているところではありますが。コロナ下のテナントに対しで賃料減額や支払猶予で支援してきた投資法人は貸しを返してもらう絶好の機会ですから他の投資法人も是非取り入れてほしいです。


・当期純利益率
20230407J-REIT(1月・7月決算)当期純利益率推移
20230407J-REIT(1月・7月決算)当期純利益率推移2

 エスコンジャパンリート投資法人の当期純利益率が大幅に膨らんでいますが、もちろん物件の売却益ではなく資産運用会社からの損害賠償金が特別利益として計上されたことによるものです。エスコンジャパンリート投資法人自業自得の、高い鑑定評価額算出すること鑑定会社に強要するという問題をしでかしたことで、資産運用会社の内部統制の改善が急務となっています。法令等遵守態勢及び内部管理態勢を⼀層強化し、公正かつ適切な業務運営の実現により信頼回復を図るとしており、①ポートフォリオの入替え及び物件取得等により、資産規模1,000億円を早期に達成。②パイプラインの拡充や新しいアセットタイプの組入れにより、ポートフォリオの質の向上と資産規模の拡大。③施設利⽤者満足度向上に向けた取組みや既存契約内容の見直し等による着実な内部成長。④資産規模拡大に向けた財務基盤の強化。を上げています。個人的には、スターアジア不動産投資法人と合併した方が良いと思っていたのてずが、スターアジア不動産投資法人はいちごオフィスリート投資法人に夢中なようでしたので残念ですね。命拾いしたエスコンジャパンリート投資法人は、今後は心を入れ替えて投資家さんのために資産運用を行って頂きたいですね。