2016年3月16日に上場したスターアジア投資法人についておぼろげながら運営スタンスが見えてきました。IPOで利ザヤを稼ぐ投資家の方達も一巡したと思いますので記しておこうと思います。

①極めて「普通」の運用アセット群

 運用対象は東京圏を中心した「オフィス」「リテール」「住宅」「物流施設」「ホテル」を投資対象とする一般的なものです。後発組で総合型であれば極めて協力なスポンサーパイプラインが構築できていない限り、良質の物件を取得していくことは厳しいと思います。4月20日取得した物件もオフィスと住居合計7棟です。

②レンダーはSMBC、みずほ系列で固める予定と思われる。

 SMBC、みずほ銀行を中心としたレンダー構成で進めていくようでSMBC日興証券とのスワップ契約も締結しています。SMBCはリーマンショック以降は比較的早期にREITへの融資を回復していきました。
 みずほ銀行もREITへの融資は力を入れているのでレンダー構成は概ね問題ないと見ます。

③金融系のスポンサー「スターアジアグループ」とは

 意外に情報の少ないスポンサーですが、金融系のスポンサーであることでだいたい判断することが出来ます。一番近いところでいうとインヴィンシブル投資法人のスポンサー、フォートレス日本賃貸住宅投資法人のスポンサーであるオークツリーといったところです。

 つまりJ-REITに投資する個人投資家(自分以外の投資家)についてまったく無関心というところが上げられます。好調な日本の不動産景気に乗っかって東京オリンピックまでは頑張ってみてその後は合併でもして儲けようと考えているのだと思います。

 昔、インヴィンシブル投資法人と合併したLCP投資法人というのもありましたが、こちらも米国のファンド会社でしたが物件購入は日系の不動産ディベロッパーからでした。J-REIT業界では外資系金融機関は存在感を示すことができません。さすがにフォートレスのようにローンとエクイティ投資で投資法人をがんじがらめにはしないと思いますが、質悪の物件を多数投資法人に高値で売り付ける基本スタンスに徹するものと思われます。

 結果、特段投資口を購入する理由は無いというのが私の判断です。