2023年5月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。


 2023年4月のJ-REIT市場は、買いが優勢になりました。月初、新年度に入り金融機関からの新規の買いなどが見られ上昇して始まったものの、月半ばにかけては米雇用指標が市場予想を下回ったことを受けて景気減速懸念が強まり、REIT市場は売りに押されました。しかし、その後は、3月の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回る伸びとなり、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化への警戒が後退したことや、割安感からの買いも入り、月末にかけて再び上昇し、東証REIT指数は年初来高値に迫りました。
 5月は引き続き戻りを探る動きを予想します。コロナ禍が徐々に収束してきている中、経済活動拡大やインバウンド需要への期待は市場を下支えしそうです。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に引き下げられることも、投資家心理を上向かせそうです。J-REITの予想分配金利回りは長期金利を差し引いても相対的に高い水準にあること、また資産価格と比べた割安感も強まっていることから、利回り面での投資妙味や値ごろ感からの買いなども下支え材料です。とはいえ、FRBによる早期の利下げ観測が後退すると、内外の金融市場が不安定な動きになる可能性があります。また、米欧の金融システム不安が再燃し、投資家心理が悪化することには注意が必要です。

4月の主要指標
20230507しんきんアセットJ-REITレポート2023.4

 東証REIT指数
  1,873.45円前月比(+4.9%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   1,688.40(前月比+2.7%)
  住宅     3,248.89(前月比+8.1%)
  商業・物流等 2,408.52(前月比+6.2%)