2023年5月15日にジャパンリアルエステイト投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が11,400円のところ11,667円で着地しました。

物件入替え実施もまだ結果は出ていない
20230523ジャパンリアルエステイト投資法人NOI推移
 まず、2023年3月期の外部成長は物件の取得・売却においては、2022年12月1日に晴海フロント(東京都中央区)の信託受益権の準共有持分25%を9,777百万円で譲渡しました。なお、本物件は3回に分けて譲渡する予定であり、2023年4月3日付けにて準共有持分30%を11,733百万円で譲渡しており、2024年1月12日付けにて準共有持分45%を17,599百万円で譲渡する予定です。また、2023年2月27日に、the ARGYLE aoyama(東京都港区)の信託受益権の準共有持分50%を23,900百万円で取得し、豊洲フォレシア(東京都江東区)の共有持分9%に係る信託受益権を8,100百万円で取得しました。さらに、2023年3月30日に、CIRCLES平河町(東京都千代田区)を1,780百万円で取得し、既存保有物件の追加取得として、新宿イーストサイドスクエア(東京都新宿区)の共有持分4%に係る信託受益権を8,500百万円で取得し、同物件における当投資法人の共有持分は35.0%から39.0%となりました。上記の結果、当期末(2023年3月31日)において、当投資法人が保有する運用資産はオフィスビル76物件、取得価格の総額1,125,703百万円、総賃貸可能面積886,439㎡(約268,147坪)、テナント総数1,582となりました。
 運用・管理面は立地改善や執務環境改善のための移転、業容拡大による拡張移転等の前向きな需要を捉えることで、大口テナントの退去により生じた空室の埋め戻しを図ることができ、当投資法人の当期末の入居率は前期末比1.6%増の95.5%となりました。上記のような運用の結果、当期の業績は、営業収益37,345百万円(前期比0.8%減)、営業利益17,041百万円(前期比5.5%減)となり、借入金等の支払利息等の経費を控除した経常利益は16,172百万円(前期比6.3%減)、当期純利益は16,161百万円(前期比3.7%減)となりました。


財務体質は維持できている

 財務戦略は、LTVを30~40%を目安に運用することを財務上の基本方針としており、併せて、借入コストや既存借入先とのリレーションを勘案した上で、満期の分散・デュレーションの長期化・安定借入先の多様化等により、健全かつ保守的な財務体質の維持を目指しています。 物件の取得による新規借入や既存借入金のリファイナンスにあたっては、ほかにも新投資口発行による資金調達での返済可能性等も念頭に置き、戦略的かつ機動的な借入を実施しています。
 2023年3月期におきましては、the ARGYLE aoyama及び豊洲フォレシアの取得資金の一部に充当するため短期借入金を29,000百万円調達しました。また、新宿イーストサイドスクエア(追加取得)及びCIRCLES平河町の取得に際し、短期借入金8,300百万円及び長期借入金3,000百万円の借入を実施しました。また、短期借入金3,200百万円を手元資金にて弁済したほか、既存借入金の返済資金に充当するための借入も実施しました。このような取り組みの結果、2023年3月期の有利子負債残高は前期末比37,100百万円増の460,493百万円となり、内、長期借入金は365,200百万円(1年内返済予定の長期借入金39,500百万円を含みます。)、短期借入金は52,300百万円、投資法人債は42,993百万円(1年内償還予定の投資法人債10,000百万円を含む。)となりました。LTVは44.0%となっています。
 なお、2023年3月28日及び2023年4月3日開催の役員会にて新投資口の発行(一般募集35,200口、第三者割当2,454口)を決議し、この新投資口の発行により2023年4月7日に一般募集分として約18,224百万円、同年5月1日に第三者割当分として約1,270百万円の資金を調達しております。一般募集及び第三者割当による新投資口の発行により調達した資金については、the ARGYLE aoyama及び豊洲フォレシアの取得に際し借り入れた前記短期借入金(29,000百万円)の借換資金の返済の一部に充当しております。また、新宿イーストサイドスクエア(追加取得)及びCIRCLES平河町の取得に際し借り入れた前記短期借入金(8,300百万円)については、晴海フロント第2回目譲渡の手取金及び手元資金により弁済する等、引き続き健全かつ保守的な財務体質の維持に努めいます。2023年3月期末時点の格付機関から得ている格付は以下の通りです。
・S&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、長期発行体格付:A+、短期発行体格付:A-1、アウトルック:安定的
・㈱格付投資情報センター(R&I)、発行体格付:AA、格付けの見通し:安定的
・㈱日本格付研究所(JCR)、長期発行体格付:AA+、格付けの見通し:安定的