2023年3月期決算のJ-REITのNAV倍率、含み益、稼働率の推移を見ていきます。

・NAV倍率
20230601J-REIT(3月・9月決算)NAV倍率推移
20230601J-REIT(3月・9月決算)NAV倍率推移2

 2023年3月期はレンジでの動きの中、やや売りが優勢になりました。インフレ高止まりで米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長引くとの観測が強まる中、米金利の高止まりを嫌気して売りに押されたものの、押し目買いも入り底堅く推移しました。パウエルFRB議長が利上げを加速させる可能性があるとの認識を示したことは重しになりました。その後は長期金利の低下を受けて、資金調達コストが低下するとの見方は支えになりましたが、米銀が相次いで経営破綻したことを受け投資家心理が悪化し、やや売
りに押されました。3月は日銀によるJ-REITの買入れはありませんでした。
 最近では投資口価格も上がってきていますが、3月はJ-REITは全体的に投資口価格が低かったこともありNAV倍率は前期よりも減少しています。ケネディクス商業リート投資法人が0.863倍とかなり低くなっています。ケネディクス商業リート投資法人はリテール系のJ-REITとしては優秀だと思います。日用生活に取り扱いに特化したテナントが入る商業施設をが中心なので実はかなり安定性は高いのですがここがあまり伝わっていないのかもしれません。


・含み益
20230601J-REIT(3月・9月決算)含み益推移
20230601J-REIT(3月・9月決算)含み益推移2

 ケネディクス商業リート投資法人は変動賃料が発生しそうな状況であるため徐々に含み益も拡大してくることになると考えています。次いでグローバル・ワン不動産投資法人、ジャパンリアルエステイト投資法人といった感じですかね。グローバル・ワン不動産投資法人の場合月額賃料の変動が一番きつかったのが2022年9月期で賃料改定割合で増額改定の割合そ増加してるんですよね(2023年3月期は減額改定が無かった)。2023年3月期の賃料改定テナントが19件しかなったのに対し進行期である2023年9月期は49件と倍以上のテナントが更新時期を迎えるのでちょっとこの辺が不安ですね。しかし上手くいけば大きく賃料が上がり、それによって鑑定評価額が増加することになるかと思います。グローバル・ワン不動産投資法人は含み益が発生してもあまり積極的な物件入れ替えをしないので含み益が即座に分配金に結びつかないのですが、内部留保を積み増し複数期に渡り分配金の安定化に充てる実績があるので引き続き注目はしていこうと思います。


・稼働率
20230601J-REIT(3月・9月決算)稼働率推移
20230601J-REIT(3月・9月決算)稼働率推移2

 オフィスビルは都内オフィスマーケット空室率は横ばい推移しています。2023年、2025年のオフィス大量供給が予定されているための影響には注視していく必要があるとみています。オフィスビルでは企業の移転ニーズは増加傾向であるとしながらも成約には至っていないというのが足元の状況です。オフィスビル選定の好立地・ハイグレード化が進展しており、よりオフィス回帰の流れは一定程度ありますね。グローバル・ワン不動産投資法人は物件数が少ないので気になってしまうのですが、一部の物件で大口退去があったとはいえ一番懸念していた豊洲の物件の稼働率が79.1%に着地しておりグレードアップ・業容拡大を目的とする移転が多いというコメントはジャパンリアルエステイト投資法人と同様の分析なのでこの流れで是非稼働率回復に力を入れて欲しいところです。
 ケネディクス商業リート投資法人はポートフォリオ全体のの稼働率はコロナ下でも安定的に推移しています。更新テナントについて賃料増額も上手くいっているようで、イーアス春日井取得及び新型コロナ収束による消費回復を受け、売上歩合賃料は大幅に増加しています。