2023年8月2日にしんきんアセットマネジメントよりJ-REITマーケットレポートが開示されましたのでご紹介致します。


 2023年7月のJ-REIT市場は、前半は一進一退の動きが続きましたが、後半は買いが優勢になりました。日銀が7月の金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)を撤廃するとの見方から、下落する場面もありましたが、資産価格と比べた割安感が大きいオフィス系リートが堅調に推移したことなどから、J-REIT市場は底堅く推移しました。下旬には、日銀の政策修正への懸念が一旦後退したほか、業績の上振れ期待が高まったホテル系リートが上昇
したことなどから、J-REIT市場は年初来高値を更新しました。日銀がYCCの運用の柔軟化を決定したことを受けてやや値を下げたものの、影響は限定的でした。
 今後は、引き続き一進一退の中、上値を探る展開を予想します。コロナ禍からの経済活動拡大への期待やインバウンド需要の増加は、引き続き市場を支えそうです。株価純資産倍率(PBR)に相当する純資産価値(NAV)倍率が1倍を下回っており、予想分配金利回りが4%を上回っていることなどから、資産価格と比べた割安感や相対的に高い利回りに着目した買いも下支え材料です。とはいえ、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長期化するとの見方が強まると、投資家心理が悪化する可能性があります。また、日銀が政策修正に動いたことを受け、長期金利が一段と上昇する動きになることにも注意が必要です。
20230806しんきんアセットJ-REITレポート2023年7月

7月の主要指標

 東証REIT指数
  1,877.19円前月比(+0.8%)

 東証REIT指数(用途別)  
  オフィス   1,772.86(前月比+2.0%)
  住宅     3,229.07(前月比▲0.2%)
  商業・物流等 2,314.81(前月比▲0.1%)