2015年4月30日に東京証券取引所がインフラファンド市場を創設しました。

 インフラとは太陽光発電施設などのインフラ施設としており、風力発電施設や港湾施設なども対象になりそうです。運用物件のアセットタイプがオフィスやレジデンスとは違うところが大きな違いの1つです。


インフラファンドの仕組み


 ①インフラを投資対象とする投資法人又は投資信託が対象となります。

 ②上場するインフラファンドが投資対象とするインフラについては、原則、稼働後1年以上が経過し、安定的な収益創出が行われている施設

 上記①についてはJ-REITと同様で、投資法人スキームが用いられます。投資法人スキームは他のSPCであるTMKスキーム、TK-GKスキームとは違って期間の定めが設けられていません。つまりずっと運用していくことができる法人だということです。この点についてはJ-REITと違いはありません。

 この②についてが大きな特徴ですJ-REITの場合は過去1年間のトラックレコードは設けられてはいませんが、インフラファンドでは収益安定性を確保するためにこのような基準が東証で設けられているのです。


インフラの運営者(オペレーター)に関する対応


 東証ではインフラのオペレーターに関する情報として以下の開示を資産運用会社(AM会社)に求めています。
 ①上場するインフラファンドに、投資対象とするインフラを運営するオペレーターに係る情報

 ②上場するインフラファンドに、投資対象とするインフラを運営するオペレーターを選定する基準

 J-REITにおいてはシニア系、ホテル系のJ-REITでは物件の運営がオペレーターに依存するタイプのアセットであるためAM会社が決算説明会資料などで自主的に開示していますが、強制ではありませんでした。

 インフラファンドでは②について強制になっているのでオペレーター自身も管理・報告体制の整備が求められています。上場しているインフラファンドを見てみるとオペレーターはスポンサーの関連企業が担当することが多いため開示情報が損なわれるという可能性は低いと考えられます。(スポンサーは上場企業なので東証への報告体制は整っているため)