2023年8月15日にフロンティア不動産投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が10,990円のところ11,109円で着地しました。 

営業収入減少でNOIは悪化

 2023年6月期の外部成長は、2023年5月に、旗艦物件の一つであるイオンモールナゴヤドーム前に関し、施設競争力および収益性の向上を図るため、改修工事を実施したうえで現行の定期建物賃貸借契約に定める賃料を増額することについて、賃借人と合意いたしました。また、ポートフォリオの質の向上及び収益の安定性向上に資するため、2022年2月に段階的に譲渡する契約を締結したイトーヨーカドー東大和店について、契約に従い2023年6月に、不動産信託受益権の準共有持分の70%を譲渡し、全体の譲渡を完了いたしました。 
 当期末日現在におけるポートフォリオ全体の賃貸状況については、信用力の高いテナントとの長期固定の賃貸借契約を中心とした安定的なポートフォリオを維持しており、稼働率は 99.8%となっています。上記のような運用の結果、当期の実績として営業収益は11,530百万円、営業利益は6,416百万円、経常利益は6,147百万円、当期純利益は6,146百万円となりました。
 外部成長としてポートフォリオ全体の資産価値に対する償却後利回りを意識した取得を掲げているところは好感が持てますね。NOI利回りだと減価償却費が足し戻された数値になるためかなり都合の良い数字になります。償却後利回りとすることで減価償却費負担を言い訳にしないという決意が表れていると感じます。


サスティナビリティ注力でグリーンファイナンスが主軸になるか
20230817フロンティア不動産投資法人NAV倍率推移

 フロンティア不動産投資法人の総資産額のうち、借入金額、投資法人債発行残高及び投資法人がテナントから受け入れた敷金及び保証金等の金額の占める割合の上限は引き続き60%としています。また、投資法人は中長期にわたり安定的な分配金の配当を行うことを基本方針としており、当期も引き続き、調達先の拡大、調達手段の多様化、返済期限の分散、長期固定化を意識し、財務の安定性向上に努めました。 その結果、当期末日現在の借入金等の残高は、長期借入金107,700百万円及び本投資法人債券13,500百万円の合計121,200百万円となっています。 また、フロンティア不動産投資法人は、資金調達の多様性・機動性を保持するため、2006年12月26日付でS&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社から、2009年6月30日付で株式会社格付投資情報センター(R&I)から、2015年12月22日付で株式会社日本格付研究所(JCR)から、それぞれ発行体格付を取得しています。

 グリーンボンドの発行を含むグリーンファイナンス実施のために「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2021」、「グリーンボンドガイドライン(2020年版)」、「グリーンローン原則(Green Loan Principles)2021」及び「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガ
イドライン(2020年版)」に即したグリーンファイナンス・フレームワークを策定しました。フロンティア不動産投資法人では、グリーンファイナンス・フレームワークに対する第三者評価として㈱日本格付研究所(JCR)より「JCRグリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価である「Green1(F)」の評価を取得しています。