2023年8月15日にCREロジスティクスファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,626円のところ3,626円で着地しました。
運用報酬の負担割合がいちごオフィス並みに高い
2023年6月期においては、2物件(ロジスクエア白井及びロジスクエア枚方)、取得価格合計22,506百万円を追加取得し、投資法人が保有する資産は21物件、取得価格総額159,504百万円となっています
CREロジスティクスファンド投資法人では2023年6月期はの物流マーケットについて、物流事業に係る事業環境として、サプライ・チェーン・マネジメントの高度化や通信販売・電子商取引の急速な拡大とそれらに伴う宅配取扱個数の増加、供給制約への対処として荷主企業における在庫保管量の拡充、3PL(サードパーティロジスティクス)事業者の利用の拡大等を背景として、物流不動産に対する需要は引き続き強く、今後も増加すると見込まれます。加えて、こうした市場の拡大に伴い物流不動産の利用者のすそ野が広がっている結果として、大規模な物流不動産だけではなく、高いスペックを有しつつ、多様な施設機能や規模を有する物流不動産への需要も高まっており、更には昨今の人手不足の観点から庫内作業を請け負う人員の確保が困難となっていることから、雇用が容易な立地に存する物流不動産への需要が特に高まっていると前期と同様に強気に読んでいるようです。
インフレーションの発生とそれに対処するための政策金利の急速な引上げにより、日本経済のみならず世界経済に減退が生じ、企業業績が悪化することには留意する必要があると思われるものの、通信販売・電子商取引の更なる拡大や、荷主企業による「サプライ・チェーンの寸断等の不測の事態に備えた在庫量の積み増し」、更には高度経済成長期やバブル経済期に建設された物流施設が老朽化しており、それら施設の建て替え需要が今後も継続することに伴い、物流不動産の賃貸市場については引き続き堅調に推移すると予想しています。2023年6月期の実績としては、保有している21物件について、株式会社シーアールイー(と連携し、適切な管理運営のもと着実に運用を行っており、ポートフォリオ全体の稼働率は99.3%と良好な稼働状況を維持しています。業績は、営業収益は4,239百万円、営業利益は2,330百万円、経常利益は2,001百万円、当期純利益は2,000百万円となりました。
パフォーマンスは悪くないがNAV倍率が上がらない
財務戦略の中で、物流関連施設は、土地建物価格に占める建物価格比率が高いという特性を有し、減価償却費が他のアセットクラスに比較して高めに計上される傾向にあります。一方、投資法人のポートフォリオの平均築年数は4.9年と浅く、多額の資本的支出はほとんど発生しないことを前提に、修繕や資本的支出への活用の他、借入金の返済、新規物件の取得資金への充当などの他の選択肢についても検討の上、原則として毎期継続的な利益超過分配を実施する方針を採っています。継続的な利益超過分配の水準は、当面の間、当該営業期間の減価償却費の30%に相当する金額を目途とし、一時的に1口当たり分配金の水準が一定程度減少することが見込まれる場合には、1口当たり分配金の金額を平準化することを目的として、当該営業期間の減価償却費の60%に相当する金額を限度に継続的な利益超過分配に加え、一時的な利益超過分配を行うことがあります。
財務面の動きは、2023年4月3日を払込期日とする公募増資により9,546百万円を、2023年5月2日を払込期日とする第三者割当増資により477百万円をそれぞれ調達し、当期末時点の出資総額(純額)は83,175百万円となりました。また、資産取得にあわせ、2023年3月31日に12,280百万円及び同年4月3日に700百万円を借入れ(グリーンローンを含む)により調達した他、借入金につき2023年4月28日に300百万円及び同年5月31日に500百万円の期限前弁済を行いました。この結果、投資法人の当期末時点の有利子負債残高は72,499百万円、LTVは44.7%となりました。
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