2023年8月17日に日本プライムリアルティ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が7,600円のところ7,600円で着地しました。  

リーシングがここにきて上手くいっている
20230819日本プライムリアルティ投資法人NOI・NCF・ROA利回り推移

 日本プライムリアルティ投資法人は、主にポートフォリオ・クオリティの向上及び収益の安定成長を目指し、地域分散、用途分散によるバランスに留意しつつ、東京エリアのオフィスを中心に、地方オフィス及び商業施設等についても投資検討を進めています。2023年6月期においては、2023年1月に大阪堂島ビル(取得価格24.6億円)とFUNDES天神西通り(取得価格33.1億円)を取得しました。また、同年4月にはJPRクレスト竹橋ビル(譲渡価格41.69億円)を譲渡し、御茶ノ水ソラシティ(準共有持分3.4%、取得価格64.9億円)を取得しました。一連の取引の結果、2023年6月末
時点における保有資産残高は67物件、4,970億円(取得価格ベース)、総賃貸可能面積は497,600㎡、テナント数は1,224となっています。
 内部成長についてはポートフォリオ全体の安定した収益及び稼働率の確保を目指し、プロパティ・マネジメント会社及び仲介会社と緊密な連携を図り、戦略的なリーシング活動による新規テナントの誘致及び既存テナントの更なる満足度向上に努めました。その結果、期末稼働率は前期末と比較して0.5ポイント上昇し98.1%となり、引き続き高い水準を維持しました。工事面では「働く人が満足する空間の創造」を目指して設定している本投資法人のブランドコンセプト「A/3S(Amenity/Service, Safety, Save Energy)」に基づき、テナントニーズを踏まえたバリューアップ工事を計画的に実施しています。また、環境に対する様々な取組みを行っています。また、CO2の排出量削減への取組みとして効果が期待できる照明器具LED化、受変電設備更新、昇降機更新等を複数ビルで実施しました。


東京建物単独スポンサーによりリスクは高まった

 財務の動きとしは、財務基盤を更に強固なものとするため、調達期間の長期化及び返済期日の分散化を重視した調達に引き続き取り組んでいます。2023年6月期は期中に返済した有利子負債の借換え資金(短期借入金を除く)として70億円の調達を行いました。当期末の借入金残高は1,695億円、投資法人債残高は359億円、有利子負債残高は2,054億円となり、当期末のLTVは40.3%、長期固定金利比率は97.3%、平均デットコストは0.76%、平均残存年数は4.4年となっています。
 環境認証の取得についても継続的に進めています。2023年6月期末時点において、「DBJ Green Building認証」については、計13物件で認証を取得しています。「CASBEE不動産評価認証」については、5物件の新規取得を含む計41物件で認証を取得し、「BELS評価」については、計3物件(1物件のZEB Oriented認証(ZEB認証種別におけるZEB Orientedを含む)で認証を取得しています。これらの認証取得に加えて環境への取組みが評価された結果、2022年の「GRESBリアルエステイト評価」では、9年連続で最高位の「Green Star」の評価を取得しており、総合スコアでの相対評価による「GRESBレーティング」においても、最上位評価である「5スター」の評価を4年連続で獲得しています。 
 単独スポンサーになったことで、スポンサーからの物件取得要求を資産運用会社が拒むことが難しくなりました。公募増資の際にバルクで質の悪い物件を潜り込ませるなど考えられるので注意が必要ですね。