今日は私募ファンドの種類の一つである任意組合スキームに出資した場合の相続税評価について
考えてみたいと思います。
論点は匿名組合と同じく
①財産評価基本通達上、匿名組合・任意組合に関しての評価方法は明示されていない
②匿名組合の出資金は、課税時期においてその匿名組合契約が終了した場合、匿名組合員が受け取
 ことができる清算金の額に相当する金額により評価する
任意組合と匿名組合の違い
 民法に規定される任意組合契約とは、複数の当事者が出資を行い共同で事業を行うことを約する
組合契約です。(民法667条①)匿名組合との大きな違いの一つは、任意組合においては各組合員が
組合事業の主体と考えられており、組合財産も各組合員の共有財産となるところです。
出資の評価
 財産評価基本通達上、任意組合に関しての評価方法は明示されていません。
 任意組合の組合員が死亡(相続の発生)した場合、当該組合員は組合から脱退します。(民法679条一)
組合財産が総組合員の共有に属していることから、任意組合の出資金の評価は、各組合財産を財産評価
基本通達に基づき評価し、その合計額に各組合員の持分を乗じて行うものと考えられます。
小規模宅地等の評価減の特例
 任意組合においては、組合財産が各組合員の貴族となりますので、個々の財産を評価するにあたり
適用を受けられるものと考えられます。これに対して、匿名組合においては、組合財産が営業者に帰
属しますので適用の対象とはなりません。