CBREから2016年1Q東京マーケットレポートがHPで開示されていたのでご紹介いたします。

詳しくはこちらからhttps://www.cbre-propertysearch.jp/article/office_marketview-q1-2016-tokyo

2016年4月~6月の東京圏の動き


 空室率は2008年Q3以来7年半ぶりに3%割れ今期(Q1)の東京オフィス市場では、オールグレードの新 規供給57,700坪に対し、新規需要はプラス74,000坪と前 期に続き大きく伸長した。事業拡張や集約等のため、年度内 に移転先を決める必要性のある企業が、積極的にスペース を消化しました。

 この結果、空室率は2.7%で対前期比-0.3ポ イントと13期連続で低下した。空室率が3%割れとなるのは 2008年Q3以来、7年半ぶりである。業種別では、金融や製 薬会社、IT関連企業の移転事例が目立ちました。  

 年初からの株価下落や円高が、企業収益、ひいては今後の オフィス需要に与える影響が懸念されています。オフィス需要 は企業収益にやや遅行することもあるようです。

 しかし、景気見通しの不透明な状況が長引け ば、企業の移転意欲が減退する恐れがあり。今期の竣工物件でも、引き合いはあるものの空室を抱えて竣工したビルが数棟存在します。

 今後竣工を迎えるビルを中心に、テナントの確 保には周辺相場とのバランスをみながらの賃料設定がより 重要になってくると思われます。

 今期のグレードAでは、複数のビルで拡張移転や館内増床 によりまとまったスペースが消化された。
また、昨年竣工して 空室を残していた新築ビルでは、資産運用会社の統合に伴 う大型の集約移転で大きくリーシングが進展した。結果とし て今期のグレードA空室率は対前期比-0.4ポイントの2.9% で、2008年Q3以来の3%割れとなった。

 「新宿」エリアでは、2012年Q2以来約4年ぶりの新築ビルとなる「 JR新宿ミライナタワー」が竣工しました。オフィススペースの拡張のために渋谷から移転してくるIT企業や、首都圏の 拠点を集約するメーカーなどの入居が決まっています。同ビル はJR新宿駅に直結しており、交通利便性の高いビルです。 そのため企業からの引き合いは多く、残りの空室消化にもそ れほど時間はかからない見通し。来期のグレードAは、2棟の竣工が予定されています。いずれも満室稼働の見込みであるため、グレード A空室率は来期も低下するとみられています。

 今期のグレードAの想定成約賃料は対前期比+1.3%の 34,900円/坪。「新宿」エリアでは5%近く上昇した。新築ビ ルによる平均賃料の押上げ効果に加え、3万円/坪を下回る割安感のあるビルで、オーナーが募集賃料を引き上げる事例がみられ、グレードAマイナスでは、二次空室を抱えた既存ビルが、募 集賃料を引き下げて空室を消化した。その結果、空室率は対 前期比-0.3ポイントの2.3%に低下し、想定成約賃料は対 前期比+1.5%の24,150円/坪。グレードBでは、空室率は 3.2%と対前期比横ばいにとどまった。満室竣工の新築ビル がある一方、空室を抱えて竣工したビルも散見される。想定成約賃料は対前期比+1.2%の20,550円/坪となりました。

 CBREのレポートは大規模なオフィス・商業施設を対象にしたものなのですぐにJ-REITに対して影響を与える情報は少ないです。しかし、テナントの動きやエリアごとの分析は三鬼商事よりも鋭い場合があるので四半期に1度はざっと斜め読みしています。皆様もときどき除いてみては如何でしょうか。有料会員になれば更に詳細を確認できます。