随分と前の記事になりますが、三井住友トラスト基礎研究所から私募ファンドの調査レポートが開示されておりますのでご紹介します。
私募ファンドは機関投資家でなければその実態を正確に掴むことは困難です。ですから情報が開示されるものは出来る限りご紹介したいと思います。
私募ファンドの市場規模は2015年12月から約6,600億円増加して約15.5兆円に拡大したようです。昨今の不動産市場が好景気であったことからREITに押され気味であった私募ファンドですが、4年ぶりに増加に転じたという記事です。
私募ファンドは不動産市場が冷え込んだ時に一気に伸びる業界です。開示する必要が無いのでネガティブな数字により風評被害(レピュテーションリスク)を抑えることができること、それに契約当事者間で契約内容を好きに決めることができることが密かな人気の秘密です。それともう一つ投資口価格の変動リスクも無いため純粋に不動産のパフォーマンスのみが反映された基準価格で売買されるためインカムゲインのみで中~長期に渡り運用したい場合はうってつけの投資商品です。私は年金や退職金を運用するのであれば私募ファンドが一番適していると考えているのはこれが理由なのです。
マイナス金利政策導入後もデット資金の調達環境に関し、良好であると捉えるAM会社が引き続き大半を占めているようです。さらにエクイティ投資家の投資意欲が高まっていると考えるAM会社も一定数あるとのことです。エクイティ投資家の投資意欲が有るというのはきっと海外投資家を相手にAMを請け負っている会社の回答だと推察されます。
現在のマーケット環境、資金調達環境であればJ-REITを直接投資した方が得です。この環境で私募ファンドに投資したいという人は投資口のキャピタルゲインを目的としないか、海外の法律などで日本の市場に投資しにくい海外投資家の方だと思います。
この実態調査を読む限り私募ファンドのAM会社は私募ファンドの発展に必要な内容について投資家層の拡大が必要だと考えているようなので我々のような一般投資家が購入できる様に法制を整備して欲しいと思います。
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