国際通貨基金(IMF)は2016年10月4日世界経済見通しを発表しました。
米国の大統領選挙と英国のEU離脱はのJ-REIT市場に影響を与える可能性もあるためご紹介します。

 2016と17年の世界全体の成長率を前回(7月)時点の見通しと同じ16年は3.1%、17年は3.4%成長に据え置きました。ただし先進国の16年の成長率の見通しは 1.6%と7月時点予想(1.8%)から0.2%下方修正しました。一方、 新興国の16年の成長率の見通しは4.2%と7月時点の予想である4.1%から0.1%上方修正しました

 今回のIMFの世界経済見通しは世界経済全体は据え置かれましたが、内容を見ると改善が期待されていた国が伸びず、反対に悲観的な見通しであった国・地域が上方修正される傾向が見られました。

 IMFは米国の消費は2016年を通じてプラス要因と見ていますが、一方で主に設備投資をマイナス要因と見ています。設備投資が軟調な背景は年前半の原油価格の低下やドル高と金融市場の変動と述べています。

 最後の金融市場の変動とは、年前半は英国の欧州連合(EU)離脱、年後半は米国大統領選挙を示唆していると思われます。ただ米国の成長率は軟調だったのは2016年前半の影響が大きく、年後半は堅調な消費に加え、原油価格の回復や大統領選挙 後の設備投資の回復により2%弱の推移を見ています。

 欧州や日本について、2016年の成長率は上方修正されました。欧州は英国のEU離脱の影響が今の所、過去の想定程には悪化しなかったことが上方修正の主な要因と見られます。

 日本を上方修正した背景をIMFは補正予算 や日銀による追加金融緩和が短期的に個人消費を下支えするためと述べています。

 ただし、IMFは英国のEU離脱選択や米大統領選に向けた論戦の背景に保護主義への支持の高まりがあることに懸念示しています。政治の不確実性が成長のマイナス要因となる可能性があると見ています。

 新興国は原油価格などの回復、通貨の安定を背景にIMFは 特にブラジルやロシアなどの回復を見込んでおり、景気後退 からの脱却が見込まれます。

 最後にIMFは世界経済見通しを据え置きました。全体を通じて、金融 政策頼りで他の政策が不十分と見られる中、世界経済の回復は依然として弱く不安定であるとの懸念しています。