2016年10月17日のジャパン・シニアリビング投資法人の決算が発表されました。
当初の予想一口当たり3,505円のところ3,573円で着地しました。

スポンサーSPCからの物件取得は外的要因によるもの

 2016年8月期のトピックはスポンサーSPCへの匿名組合出資です。5物件のメディカル施設で普通の老人ホームよりも介護に特化した介護老人保健施設です。シニア系J-REITは3社上場していますが、一番成長性が高いのはジャパン・ニシアリビングであることは間違いないですね。しかし、オラージュ須磨、アネシス寺田町は入居率が低いですね。

 スポンサーにケネディクスが入っていることもあり、展開スピードが速いです。しかし、物件の取得をまだ行っていない理由はオペレーターの体制変更の様子を見ているものと思われます。決算短信5ページにも記載がありますが、シニア施設を運用するオペレーターが業界再編の中にいるので新物件を運用する体制が整っているのを待っているのだと思われます。このような慎重な姿勢は中長期に渡りJ-REITで資産運用を考えている投資家さんにとっては大変好感が持てる運用スタンスではないでしょうか。
 
シニア系J-REITのROAは少し低め
20161024ジャパン・シニアリビング投資法人
 開示ベースの数字で上場3社のROAを比べると以下の通りです。
 今後もだいたい2.1~2.8%台で推移していくものと思われます。レジデンス系が2.8~3.4%程度の間ですから営業利益ベースの利回りはレジデンスよりも低いことになります。リテールやホテルと違いヘルスケア施設は変動賃料が取れるようなアセットでは無いので、修繕工事の発生や、固都税の上昇などが簡単に利益を圧迫してしまうめた物件運用費用の管理を徹底することが必要になります。また、財務戦略についても削減を行っていく必要があります。